2. Chat GPT使用に関する注意

ChatGPTを使用する上での注意点を理解しておきましょう。
※文部科学省による暫定的なガイドライン(R5/7/4)
年齢制限
ChatGPTの利用には、多くの注意点があるため、利用者に対して年齢制限が設けられています。
 ①18歳以上の者
 ②13歳以上で保護者の許可を得ている者
となります。
著作権問題や人権問題など、社会的に大きな問題となる注意事項もあるため、子どもの利用には注意が必要です。
情報漏洩
ChatGPT利用において大きな問題とされているものが情報漏洩です。
ChatGPTに入力した情報は、学習データとして使われることがあるため、慎重に扱う必要があります。
過去には、Amazonの社員が機密情報をChatGPTに送信してしまい、その情報と似た内容がChatGPTから返されたという事例がありました。また、サムスンでも機密コードや会議音声の処理をChatGPTに処理させたことで、大問題が発生しました。
われわれ教育現場では、多くの個人情報等を扱っているため、細心の注意が必要となります。
情報の信頼性
ChatGPTはインターネットの情報を基に学習しています。インターネット上には誤った情報もあふれているため、ChatGPTが持つ知識が必ずしも正しいとは限りません。学習元のデータが誤っていれば、返答も誤ったものになってしまいます。
実際に誤情報が出力されることも度々あり、この点においては開発者側も認めています。
学校現場で使用する際には、情報の信頼性についても注意する必要があります。
著作権問題
ChatGPTはインターネットの情報を基に学習し、利用者への回答としています。
日本においては、2018年に成立した改正著作権法により、AIが文章や画像を学習する際には、営利・非営利を問わず著作物を使用できると定められているため、AIの知識の中に、膨大な他人の著作物が蓄積されています。
私たちが、AIから得た回答を使用する場合、その回答が他人の著作物であったときには許諾を得る必要が出てきます。また、許諾を得ることを怠れば、著作権法違反となります。
ChatGPTから得られた回答を使用する場合には、著作権に留意する必要があります。
最新の情報ではない可能性がある
ChatGPTは、データを収集した時期(学習した時期)までの情報を基に回答が生成されます。
このため、市場調査やリサーチ業務で使用する場合には古いデータでの回答が行われる場合があります。
ChatGPTの現段階の学習モデルは2021年9月(2023年6月現在)となっているため、これより新しい情報は回答されません。
人権問題
ChatGPTは機械的にインターネットから情報を学習しています。
学習の基となる情報に偏りがあれば、当然それに対する回答も偏ったものとなります。
特に、公平や平等に期する回答、人権に関する回答には細心の払うことが必要です。
諸外国ではAIが生成した回答が大きな人権問題を引き起こした事例もあります。
学習活動の低下
ChatGPTは便利な反面、深く考えることなく回答を得ることが可能となります。
われわれが車を運転するとき、カーナビの指示通り走ると、多くの人がほとんど道を覚えていません。
これと同様に、AIが出した回答を使っているだけでは、その中身や本質を理解することができません。
そのものの意味を理解するためには、自身で調べ、学習する必要があります。